「保険は若いうちに入った方がお得!」は本当なのか?実際に試算してみた

保険は若いうちに入ったほうが得だと言われています。

というのも、ほとんどの保険は、加入時の年齢が高いほど保険料も高くなっていくからです。そのため、保険料が安いうちに入っておくほうがいいよ、ということになるのですが……。はたして本当にそうか、試算してみました。

某保険会社の医療保険について、公式サイトの保険料シミュレーションで保険料を調べてみます。

入院日額1万円の場合で、60歳払済の終身医療保険に、25歳の男性と40歳の男性が加入するものとします。すると月額保険料は次のようになりました。

25歳の男性 3,982円
40歳の男性 7,601円

けっこう差がありますね。累計で支払うことになる保険料の総額を計算してみましょう。今回は60歳払済としているので、60歳になる年までの支払い総額をもとめます。

25歳の男性 3,982円×12か月×35年=1,672,440円
40歳の男性 7,601円×12か月×20年=1,824,240円

25歳時に加入すると、保険料総額は約167万円だったのに、40歳時に加入しますと約182万円。保険期間は少ないのに保険料総額は高くなっています。なるほど、これなら確かに若いうちに入ったほうがいいですね!

……と、ちょっと待って下さい。たしかに、60歳払済時点では、払込み総額は40歳時加入の人のほうが高くなりました。

ですがこれを、加入時以降の累計推移を一年一年順に見ていきますと、40歳時加入の男性の累計払込み総額が25歳時加入の男性のそれを上回って逆転するのは40歳の男性の加入後16年が過ぎた56歳時のときなのです。それまでは25歳時加入のほうが、その時点までの払込み期間が長いぶん累計額も高くなっているのです。

終身払いは保険料が安いので事情がまた違ってきた

さらに、ここまで60歳払込の保険で試算していましたが、終身払いにしたらどうなるでしょうか。

終身払いは、ずっと保険料を払い続けなくてはなりませんが、保険料自体は抑えられています。終身払いの場合の月額保険料は次のとおりです。

25歳の男性 3,060円
40歳の男性 4,350円

この保険料で、60歳になる年までの支払い総額をもとめます。

25歳の男性 3,060円×12か月×35年=1,285,200円
40歳の男性 4,350円×12か月×20年=1,044,000円

この場合だと、25歳時加入のほうが高くなってしまいました!

終身払いですと、60歳以降も払い続けなくてはならないので、その後の累計額の推移を追って見てみます。すると、払込保険料総額が逆転するのは75歳になったとき、と、だいぶ先のことでした。終身払いはもとの保険料が安いことに加え、加入時年齢による差が小さいため、払込み期間の長さのほうが影響するのです。

結局、いちばんトクなのは…?

ここまでの試算結果をまとめると、医療保険の保険料には次のような特徴があることがわかります。

  • 60歳払済の場合、若いうちに入った保険のほうが、保険料の払い込み総額は安くなる。
  • ただし上記の逆転が生じるのはある程度の保険期間が必要。
  • 終身払いの場合、かなり先になるまで払込み総額は逆転しない。

今回の試算を別の保険会社でも行ってみましたがほぼ同様の結果になりましたので、保険会社による差はなさそうです。

踏まえると、次のことが言えると思います。

60歳払済の保険に入り、途中解約しない場合は、若いうちに入ったほうがだいたい得。

では、「保険は若いうちに入ったほうが得」と言われるのは本当だったのでしょうか。……これは上記のとおり「60歳払済の保険に入り、途中解約しない場合は」本当だと言えます。

ポイントは、「終身払い」にすると全体に保険料が大きく下がり、このときは加入年齢が高くてもそんなに損しない、という点です。ですので、「保険は若いうちに入ったほうが得」と言われるけど、入るタイミングを逃してすでに若くはない、という人が医療保険に入りたいと思ったときは「終身払いを選ぶのがオススメ」と言えるのです。

そして、若くして入る場合でも、終身払いのほうが保険料は低いのですから、期間を区切ればこれがいちばん安上がりです。

いろいろな加入パターンで支払う保険料総額を計算しました。

25歳で終身払いで入り、80歳まで継続する 2,056,320円
25歳で終身払いで入り、60歳で解約する 1,285,200円
25歳で60歳払済で入り、ずっと継続する 1,672,440円
40歳で終身払いで入り、80歳まで継続する 2,140,200円
40歳で終身払いで入り、60歳で解約する 1,044,000円
40歳で60歳払済で入り、ずっと継続する 1,824,240円

ここで考えたいのは、そもそも医療保険はいつまで必要か?ということ。平たく言えば「終身医療保険」の必要性は?ということです。

たしかに高齢になるにつれ、医療のお世話になる機会は増えるでしょうが、公的保険から補助される割合も増えますし、高額療養費制度もあります。また、年齢を経て貯蓄も準備できているでしょう。そう考えると、歳をとったら、むしろ医療保険は不要なのでは?という気もしてきます。

すると、「終身払い」で入り、ある程度の期間で解約したほうが、安上がりになります。

この場合、若くして入ったほうが得とは必ずしも言えません。終身払いの保険料では加入時年齢よりも保険期間が短いほうが安くなるからです。一定期間だけ保険に入る場合は加入年齢は必ずしも関係ないのです。

 

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