定期と終身で悩んだらこう考えてみる

医療保険には、5年や10年などを一定期間を限定的に保障する定期型と、一生を通して保障を約束してくれる終身型の2種類があります。どちらもメリット・デメリットがあり、ライフステージや個人の思考によって選択が異なってくるでしょう。どちらも正解でどちらも不正解になり得るのです。

ただ、半数以上の人において、「こう考えておけば大損はしない」という及第点を狙う選択の仕方はあると思います。加入後に後悔しないためにも、しっかりと両タイプの特徴を知っておきましょう。

定期型保険のメリット・デメリットは何か

定期型のメリットはズバリ、若ければ若いほど保険料が安い点にあります。例として、A保険会社の(入院日額5000円)で見積もってみると、30歳男性では月額1373円であるのに対し、40歳では2049円になりました。ちなみに50歳では3775円、60歳からは7205円に跳ね上がります。

・30歳:1373円
・40歳:2049円(+676円)※30歳から計算して。以下同様
・50歳:3775円(+2402円)
・60歳:7205円(+5832円)

30歳で加入するのと、40歳で加入するのでは年間で約8000円も差額が出ます。このように、定期型は若年時の保険料が特に安いのが利点。保証期間も短期間であることから、保険の乗り換えがしやすい点もメリットになるでしょう。A保険が気に入らなければ、更新時に解約すればそれでいいのです。

保険の見直しがしやすい利点はあるものの、実はここにデメリットも内包しています。「見直しがしやすい」は、言い換えれば、「見直しが必要」だということです。もともと期間限定の保障のため、期限が来れば更新するか否かを決めなければならないからです。その際にネックになるのが保険料。30歳から40歳なら大したことはありませんが、50歳や60歳となると話が違ってきます。上の例だと、60歳時は50歳時より2倍弱上がっていますね。

「そんなお金は払えない」と解約するのも選択の一つです。しかし病気は60歳以降にかかりやすくなるのは統計から見ても明らかだし、自然治癒のスピードも落ちていきます。高額療養費制度や、後期高齢者の窓口負担額を考えると医療費の心配は要らないという声もありますが、公的保険外の治療に頼らざるを得ないときもあるでしょう。また、国の制度に依存し過ぎるのは、自己責任型にシフトしていくであろう未来の社会に一致しません。

では、60歳時点で定期型を解約し、終身型に乗り換えるのはどうでしょうか。実はここでも保険料が問題になります。終身型であろうと、加入時の年齢に応じて保険料が上下する仕組は同じだからです。また、高齢になると体のどこかしらに支障をきたしてくるもの。健康体でない場合、保険の加入そのものを断られる可能性があります。その場合、割高の引受基準緩和型や無選択型の保険を選ぶ他ありません。

以上が定期型で考えれるメリット・デメリットです。次は終身型を考えていきます。

終身型保険のメリット・デメリットは何か

終身型は、保険料が加入時のまま変わらないというメリットがあります。定期型に例として挙げた『やさしくそなえる医療保険』の同プランで見積もってみると、30歳時で3235円、40歳時で4643円、50歳時で6803円、60歳時で9808円になりました。

・30歳:3235円
・40歳:4643円(+1408円)※30歳から計算して。以下同様
・50歳:6803円(+3568円)
・60歳:9808円(+6573円)

やっぱり、60歳から加入するとなると大変ですね(笑)。30歳時ならば3235円の保険料で一生涯固定されるため、定期型のように更新時に値上げされることはありません。保障もずっと続きます。ただ、死ぬまでの医療保障が約束されている代わりに、保険料を払い続ける義務が生じます。収入のある現役時は問題ないでしょうが、定年後はどうでしょうか? 年金はどの程度貰えるのでしょうか? 貰えたとして、月3000円程度とはいえ、保険料の支払いに回す余裕はあるのでしょうか? 誰にも予測できませんし、現在の日本を見る限り、将来の政策にはどうしも悲観的なイメージがつきまといます。

このデメリットに対する策としては、60歳や65歳までの払込プランを利用するという手があります。生涯の保険料を、指定された年齢までにすべて支払うのです。そのぶん保険料は上がりますが、払込期間まで頑張れば後は保障だけが残ります。ここで参考として、払込プランの選択が可能なアフラック 『新EVER』での保険料を見てみましょう。

【条件】
◎30歳 男性 ◎ベースプラン(入院給付日額5000円・1入院60日型)

・通常終身:1670円
・60歳払済:2365円
・60歳半額:1770円、60歳以降は885円

いかがでしょうか。確かに割高になりますが、そこまで劇的にアップする訳ではありませんね。純粋な終身型だと、長生きすればするほど保険料を払い込むことになるため、この払込プランは考えようによっては賢いかもしれません。

他の特徴としては、終身型には支払った保険料を積立できるものもあります。死亡保障付きのタイプに多く、一定期間を過ぎて解約すると、解約返戻金としていくらかが戻ってきます。このお金を何らかの資金に充てることもできますね。ただし解約返戻金なしのものよりも保険料が上がることに注意してください。

定期型 VS 終身型の結論

両タイプのメリット・デメリットを整理してみましょう。

  メリット デメリット
定期 ・若年時は保険料が安い!
・保険の見直しが容易
・更新料が高く(特に高齢時!)すべて掛け捨て
・保障が途切れる
・高齢時からは更新も乗り換えも難しくなる!
終身 ・保険料が変わらない!
・一生涯の保障
・払込プランが選択可能
・積立タイプもある
・保険料が割高である
・保険の乗り換えがしにくい
・保険料の支払いが生涯続く(通常タイプの場合)

私が終身型で唯一懸念していたのが死ぬまで続く保険料ですが、これは払込プランを選択すれば解決できることが分かりました。また、2000円程度なら定期型と大差なく、定年後に負担を感じることもなさそうです。

比較してみて一つ気づいたのは、定期は若年時の加入なら安いため、終身をメインとしながら一時期の保障を手厚くするという意味では良いパフォーマンスを発揮すると思います。私のように既婚者で子どもが小さい家庭の場合、一家の大黒柱が倒れて収入が不安定になれば困りますからね。保険の組み合わせもまた、有益な選択の一つではないでしょうか。もちろん、貯蓄さえあれば60歳までは安い定期で備えるという選択もありだと思います。

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