~子どもの医療保障が必要か考えてみる

子どもの医療費負担には地域格差がある

子育てのなかで最も必要になる資金といえば学資金。教育費はマイホームに匹敵するほどの金額なので、しっかりと計画的に貯蓄する必要があります。意外に意見が分かれるというか、備えとしてどうすればよいか迷うのが医療費です。「必要ない」と断言できる人がいる一方で、「そうは言っても…」と心配する人も大勢います。小さな子どもは体の抵抗力が弱いぶん病気にかかりやすいというイメージや、外で走り回って怪我でもしてしまうのではないかという心配が、養育費のなかの医療費の優先度を押し上げるのでしょう。

子どもの医療保障に備えるべきか否か?その疑問に答えを出すためには、子どもの受療率を調べてみる必要があります。そこで「平成23年の患者調査(厚生労働省)」内の「性・年齢別級別にみた受療率」を見てみたところ、0歳時は高いものの、1~19歳までの各4年ごとの受療率は他の年代よりも低いことが分かりました。

入院受療率通院受療率

入院に至っては、10~14歳までは全年齢階級のなかで最も低い結果が出ています。逆に、1~9歳までの通院率は高くなっていますね。この結果から、まず民間の医療保険に加入するという選択は消すことにします。民間医療保険の保証対象は入院することが基本だからです。

となると、ここは世間でも評判が高い共済に加入しておくのが賢明なのかと言うと、そうとは言い切れないのが現状です。子どもの医療費は自治体による「子ども医療費助成」制度を利用できるため、「医療費はほとんどかからない」という人もいるのです。しかし、助成内容は自治体によってバラつきがあることから、居住する地区の制度がさほど充実していない人は、掛金の安い共済なら選択肢に入れてもいいかもしれません。

いずれにしろ、まずは自分の地域の助成制度をきちんと把握する必要があります。ここでは一例として、東京23区について調べてみたので参考にしてください。

全国トップレベル。東京23区の子育て支援制度

子育て支援制度とは、18歳未満の子どもがいる世帯へ金銭面を含むさまざまなサポートを行う制度です。各自治体が独自で行なっているため、その支援内容は地域により異なります。入園料の補助や商品券の配布など金銭的支援が充実している地域もあれば、子育てについての相談事業といった全体的な育児・教育サポートに力を入れている地域もあります。

例として東京23区を選んだのは、この支援内容が全国でもトップレベルに充実しているからです。特に医療費においては、中学卒業時までなら入院・通院ともに無料という高待遇ぶり(もちろん健康保険適用内の治療に限ります)。また、一般的には設けられている所得制限もありません。私が特に手厚いと思った地区は以下の2区です。

自治体 妊婦健診公費負担の回数 医療費助成の対象年齢 他のポイント(医療費関連以外も含む)
北区 14回 高校3年生まで ■子育て福袋/育児支援サービスの割引利用券等
■子育てにっこりパスポート事業/協賛店での割引や特典等
千代田区 14回 高校3年生まで(ただし入院時の食事は対象外) ■誕生準備手当/妊娠6ヵ月以上の妊婦に4万5000円支給(一律)
■次世代育成手当/16~18歳までの児童を養育する世帯に月額5000円支給(児童一人につき)
※医療費助成は対象外の治療もあります(例:交通事故など第三者行為)。詳細は各自治体のホームページページでご確認ください。

ポイントはやはり高校生まで対象を拡げた医療費助成です。対象外となる治療はあるものの、ここまでくると医療保険はおろか共済の出番もない気がしてきます。医療費だけに焦点を当てればこの2区が頭ひとつ抜けていると言えるでしょう。

地域によってどの程度格差があるのか?

すべての地域が東京23区のようであればいいですが、現実はそうもいかず、地域によってバラつきがあることは冒頭で述べたとおりです。

では実際にどの程度の差があるのか。試しに大阪府を調べてみたところ、医療費助成の対象年齢は「中学校3年生まで」「小学校3年生まで」「就学まで」とさまざまな基準がありました。所得制限は設けていない自治体の方が多いものの、「あり」も少なくなく、また「なし」としている場合でも、子どもの年齢によって基準が違ったり、入院と通院で適用が変わったりと一律ではありません。いずれにせよ、病院の窓口でお金を支払うか支払わないかの差が「中学校卒業時まで」と「就学時まで」では大きな違いですね。また、所得制限が設けられている場合、基準の境目にいるような収入の世帯は助成が受けられるか否かでまったく話が変わってきます。

都市の規模にかかわらず、こうした地域格差はどこでも見られるものです。居住する地域の助成内容が心もとなく、なおかつ子どもの医療費が心配な人は、掛金の安い子ども専用の共済なら検討してみてもいいと思います。

まとめ

■地域格差が深刻な場合は共済で自己防衛するのも一手

子ども医療費助成の地域格差を巡ってはしばしば議論の対象になっています。同制度を頼りにしている人たちにとっては大きな問題であり、住民運動が起こっている地域もあります。市政の改善に声を上げ続けるのもいいですが、負担の少ない共済を見つけて加入しておくくらいの自己防衛はしてもよいのではないかと思いました。

 

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