夫婦型・家族型保険は本当におトクなのか?

割安な保険料が魅力の夫婦型・家族型保険

あまり一般的ではありませんが、企業のグループ保険には『夫婦型』や『家族型』呼ばれるタイプの商品があります。

夫婦型(または夫婦特約)とは、主契約となる配偶者の保険に「従被保険者」として加入する保険のことです。主契約を結んだのが夫だとすると、従被保険者は妻になります。要は、「一つの契約に夫婦セットで入る」保険ですね。

家族型(または家族特約)も考えは同じです。夫婦型では、従被保険者になれるのは配偶者1人でしたが、ここに子どもも含まれる点が異なります。子どもは1人でも2人でも保険料が変わらない商品が多いことから、家族全員で保険に入るなら家族型がおトクだと言われています。

以上をまとめると、

・本人型:通常タイプ。保障の対象は主たる契約をした本人のみ
・夫婦型:保障の対象は主被保険者とその配偶者
・家族型:保障の対象は主被保険者とその配偶者・家族(※配偶者は除く商品もある)

ということになります。

夫婦型や家族型に加入するメリットはズバリ、割安な保険料だと思います。各社により異なりますが、個別で契約するよりも7~8割安くなるようです。特に家族型の場合、保険料は子どもの人数にかかわらず一定のため、金銭的メリットは高いと言えるでしょう。

しかし、金銭的メリットばかりに目を奪われていると失敗するのが世の常です。夫婦型・家族型にもいくつかのデメリットは存在します。

家族構成の変化にトコトン弱い?!

まず、主被保険者と従被保険者の保障内容は同等ではないという点です。ちょっと表記がややこしくなるので、以下より主契約者を「夫」、従被保険者を「妻」「子ども」としましょう。

夫の入院日額が5000円とすると、妻は3000円程度、子どもに至ってはもっと低く設定されていることがあります。妻や子どもの保障内容は夫に連動していて自由に設定できない商品が多く、結果、中途半端な保障にお金を払い続けることになりかねません。

さらに大切なのは、「主」被保険者と「従」被保険者の関係です。「主」の契約に「従」が連動している限り、夫の死別などで契約が続行できなくなると、従被保険者である妻や子どもの契約も消滅してしまう可能性があります。もちろん払込免除特約があれば、以降の保険料が免除・保障は継続する商品もありますが、この点は各社により異なります。契約前に必ずチェックしてください。

契約そのものが消滅してしまうタイプだったなら、新たに別の医療保険に入ればいいと思うかもしれません。しかし、そのとき自分が何歳で、健康体でいるかなんて誰にも分かりませんよね。このように、主契約者に依存してしまうのが夫婦型や家族型のデメリットと言えるでしょう。

離婚すると従被保険者は面倒なことになる

ひと昔前と比べると、日本人の離婚率は格段に上がっています。厚生労働省『人口動態特殊報告』によると、離婚率は2002年をピークにやや減少傾向にあるものの、1950~80年代などと比べると比較にならない程増えています。今では10組に4組の夫婦が離婚する時代なのです。私も既婚者なので他人事ではないデータですね(笑)。

さて、夫婦型や家族型の医療保険に加入していて、自分が配偶者の立場にあった場合、離婚してしまうとやや面倒なことになりそうです。同じ戸籍ではなくなるのですから、医療保険の継続は当然、不可能。次の保険を探そうにも、若く健康であれば問題ありませんが、身体にガタが来始めるシニア世代だったらどうでしょう……? 夫婦や家族という構成に変化が生じた場合、柔軟に対応できないのがこのタイプの保険なのです。

まとめ

では最後に、夫婦型・家族型と本人型のメリットとデメリットをまとめてみましょう。

  夫婦・家族型 本人型
メリット ・1つの契約で複数の保障がセット
・セットなので保険料が安い
・子どもが何人いても保険料は変わらず
・個別に保障内容を決められる
・家族構成に変化があっても契約に変化なし
デメリット ・主被保険者の契約内容に縛られる
・家族構成の変化に対応しにくい(契約そのものの消滅もあり)
・夫婦の年齢差に条件がある場合あり
・保険の見直しがしにくい
・保険料は一人ひとり必要(セット割引なし)

メリット・デメリットを並べみると、医療保険はやはり本人型の方が使い勝手が良さそうです。子どもの保険料が人数に左右されないのは魅力ですが、子どもの医療費は国や地方自治体から援助があるため、医療保険そのものが必要ない気もします。共済を利用する手もありますね。子どもの医療保険については別ページで詳しく考えることにします。

保険は一生ものだからこそ、あらゆる要素を総動員して冷静に考えてみる必要があると思います。デメリットを気にしていてはキリがありませんが、長く安心できる商品を選ぶには、用心深いに越したことはありません。妥協せず、自分のライフプランにマッチした保険に出会いたいですね。

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